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暗黒労働 [仕事を考える]

 私が社会に出たころは正社員という概念すらなかった。正社員でなけばアルバイトかパートか嘱託であった。嘱託というのは役所関係だけである。パートというのは被扶養者であることが前提であった。今や正社員というだけで選良ということらしい。

 森永卓郎によると、誰よりも早く出勤して、人の嫌がる仕事をして、上司の命令は絶対服従、残業代は請求せずに誰よりも遅くまで仕事をする。そうすることで地位を守り、路頭に迷うことを防ぐことができるらしい。

 過労で寝込むか、うつ病になりそうである。またそうなったらそうなったで、会社のお荷物になる。退職しろと言われればすぐ退職し、死ねと言われれれば死ぬのだろうか。

 野中郁次郎はSECIモデルを提唱した。高度経済成長下の大企業の職場では、形式知がシステム化されて伝わるだけでなく、暗黙知は信頼のある人間関係で伝えられる。成長する産業で、余裕のある職場では通用する理論である。上記のような泥船での理論ではない。

 暗黒労働で人間が奴隷化すると、人格が低下して社会性が失われそうである。会社の中だけで奴隷になり、会社の外では人間に戻るという器用なことができるのだろうか。家庭で暴君になったり、社会で弱者に食って掛かってしまうような人格が生まれるのではないだろうか。

 暗黒労働には暗黒社会、暗黒家庭があるのではないかということを指摘したい。
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