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目が腐る [仕事を考える]

 人間が腐るとしたら、真っ先に目である。腐ると言っても本当に腐敗するのではない。物事や人物の真贋を取り違い、良いものを悪いとし、悪いものを良いとしてしまう。自分に対する援助や協力を拒み、かえって害になるものを好み、そして他人に迷惑なことをしてしまう。心身の健康に悪いものが集まり、悪友が集まってしまう。人生が歪んでしまい、不運や不幸のもとになる。

 原始仏教の八正道(正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定)で、正しく見る正見は最初に挙げられている。正しく見るためには怒り、貪り、愚かさなどを離れ、謙虚に正しく努力することだ。正しく、といっても何のことだか分からないということはない。自分のマインドは正しいことが自ずと分かり、また努力しているうちに修正し、真の正しさを発見できるようになっている。まずやってみる、行動してみることが重要である。

 傲慢さのために転落する人間や組織を観察してみると、あるいはケーススタディを読むと、まるで自滅戦略を取っているかのように見える。経営学者によっては「経営者次第」「貧すれば鈍する」などと説明する。しかし私はこうした自滅は正見が失われた状態に陥ったためと考える。原始仏教の知恵である。

 ボランティアでも掃除でも、一見自分に損で人に得になることをやってみることだ。人様のお役に立てることを自分の精力と費用と時間を使ってやってみる。許容できる損というのは必ずあるはずだ。こうした陰徳は実は自分のためになる。陰徳ほど自分の目を腐敗から守り、清くすることはない。
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