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『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』

 新刊を書店で立ち読みした。仕事の〝やりがい〟というは思想であり、小学校のcareer教育に組み込まれていることを指摘している。こうした思想が組み込まれたcareer教育がいつから始まり、具体的な教育内容はこうという検証がほしいところだ。

 仕事には生き生きとしたやりがいがある部分がある…というのは意欲的な勤労者なら反対しないだろう(しかし意欲的でない勤労者であれば反対するだろう)。やりがいという部分を強調して、「やりがいのために仕事をする」という思想(現実はやりがいもあるかもしれないがそれは動機にはならず、現実には生活のために仕事をする)を主張しているのだ。これではcareer教育にならない。

 現実の職場を見ると、生き生きとして仕事をしている人たちはいるだろうか。周りを見ると、嫌々と仕事している人たちばかりではないか。だから彼らについても率直に捉えて、社会学的に考えるというのが本当のcareer教育といえるだろう。
 
 「やりがいのために仕事をする」のであれば賃金は要らず、長時間労働も我慢して、所定外賃金も請求しないことになる。これは死の思想だろう。こうしたことを児童に教え込むのは思想教育だろう。思想そのものも複雑性がなく単純である。

 もっともestablishmentsとしては資源がない日本では勤労者が多少過労死してもらうぐらい働いてもらわないと、海外市場を獲得できず国家として基盤が緩むのかもしれない。だから経団連や日本生産性本部、経済産業省は間接的に小学校に指示して、過労死思想を注入するというわけである。小学生なら騙しやすい。無償配布するtextと教員の人件費ぐらいだから費用もかからない。

 思想を流布している経済官僚たちはこうした思想を信じているのだろうか。「やりがいなんてあるわけねーよ!!」と堕落して、しばしば遊んでいるような人たちであればまだ安心できるかもしれない。自分も信じて過労死しそうになり、他人にも信じ込ませようとしているのではないか。
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