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公共職業訓練の、不可解な面接 [会計学学習]

不可解な職業訓練の面接選考
 
私は、職安職員に勧められ、公共職業訓練へ応募した。コースは、EXCELやPowerPointなどIT関係で、期間は4月から半年である。職業訓練の募集人数は、限られているので、選考がある。書類と面接で選ばれる。職安によると、今回は、約3倍の倍率だという。私は、面接を受けるため、1月29日、訓練施設の専門学校へ、出かけた。職業訓練の仕組みについては、下の図で表した。独立行政法人の雇用・能力開発機構が、民間の専門学校を訓練施設として、求職者に職業訓練を与える。職安は、職業訓練の応募窓口となっている。

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 面接は、応募者4人ごとに、まとめて行われた。応募者は、20歳代から30歳代の男女であった。面接をするのは、専門学校の職員で、男女3人だった。しかし、管理職らしい中年女性1人が、取り仕切っていた。面接では、応募者は、①自己紹介、②職業訓練への応募理由、③自分の求職活動方針を、それぞれ、尋ねられた。中年女性は、④として、「もしこの面接が求人先(企業など)だったとしたら、どのように自己アピールするのか?」と聞いた。4人は職業訓練の面接にやってきているのだから、最後の質問については、不適切であった。しかし、選考の場であるため、私たちは答えざるを得なかった。

  中年女性は、面接はこれで終わりと宣言した。そして、彼女は、質問があればどうぞと勧めた。私以外の2人が、質問をした。その後、中年女性が「結果通知が、2月下旬と定められていて、それまで期間がだいぶあるので、感触を申し上げると、みなさん全員、印象に残らない」と、一方的に発表し始めた。「もしこの面接が求人先だったとしたら、求人先は15人ぐらいの人たちと会うのだが、『印象に残らない』のであれば、『この人誰だっけ?』と、あななたちは忘れ去られる」などと、叱りつける口調で言った。その後、私の左隣の女性の名前を呼び、「あなたは、特に印象に残らない」などと言い放った。

 私たちは、すごすごと、面接会場を後にした。とりわけ、「特に印象に残らない」女性は、落ち込んだ表情であった。実は、私もこの後、2日間ぐらい、数時間も、落ち込んでしまった。

ハラスメントを指摘する
 
私は、2月に入ると、「職業訓練の面接選考の1部に、ハラスメントがあり、納得がいかない」という理由で、担当者とアポイントメントをとった。担当者は、役人らしく、責任逃れをしたがるので、私は彼の上司に会うことにした。私は、「国の職業訓練にもかかわらず、専門学校の職員が密室でハラスメントをして、許されるのか。職安に勧められたことを、その通りに実行したにもかかわらず、ハラスメントを受け、当然に納得できない」と問いただした。
 責任者は、「そもそも面接では、職安としては、『集団面接をするな』と要請しているので、面接方法が不適切である。個人情報保護もある。そもそも、選考結果を、面接で告げるのは、不適切である」と応えた。私は、「私は、個人情報保護法には、反対である。集団面接については、専門学校がやりたければそれでいいだろう。また、専門学校が、選考結果をその場で、言いたければ、それは構わない。しかし、面接で、ハラスメントが含まれており、それは許されない。国が、委託訓練として、専門学校と契約しているのなら、この点では、債務不履行ではないか。国費を、ハラスメントの面接にかけていいのか」と、尋ねた。責任者は、「その中年女性は就職支援の指導をするわけですが、4人はまだ受講生ではないのですから、指導をしている場所が不適切である。」という。私は「選考の約3倍だから、4人のうち3人ぐらいは、受講生になれない。受講生になれない人間に対して、こんなことやっても無意味でしょう」と言うと、責任者は「就職支援を指導する人間として、不適切かもしれません。この専門学校は、次の入札の時に、外されることもあるでしょう」とまで言う。私は「専門学校が、次回入札に加われるか、加われないかについては、関心がない。私が問題にしているのは、ハラスメントである。
2週間ぐらい期間を差し上げたいので、ハラスメントに関して、回答を欲しい」と主張した

面接者のほうを「改善指導」へ
 職安は、「不適切面接について」という文書で、雇用・能力開発機構へ問い合わせた。3日後、職安へ
回答が届いたので、私は読ませてもらった。
 
回答の1部を記すと、次の通りである。「この度はご迷惑をおかけし失礼しまた(ママ)」「面接者のうち一人の担当者(実施機関)については、受講者に対し非常に熱心な指導を行う担当者であったとのこと。今回、熱心なあまり面接終了後に一度、受講希望者に対し断りを入れて、面接時の対応の仕方等について個々に指導する場面が実際にあったことを確認しました。また、多くの面接をされた方からはお礼を言われる場面があったことも確認されています。しかしながら、本来、訓練受講のための面接であることから、このような行動は、一度面接者に対し断りをいれたとしても、面接時の対応について指摘することは、面接を受けたすべての方が受け入れるかは、なかなか難しいと考えます。これらのことから、実施機関に対し、過度な指摘は慎むように指導したいと考えておりますので、よろしくお願いします」(抜粋、回答文書はA4判1枚)というものであった。
 
 私は、この回答を読んで、「回答のうち、『面接をされた方からお礼を言われる場面があった』というのはどういうことですかね? 少なくとも私たち4人は、誰もお礼を言っていません。それに、『受講希望者に対し断りを入れて』という表現が2回、出てきていますが、これは事実と異なりますね。中年女性が、私たちの同意なく、一方的に、講評を始めましたが、私たちは選考の場なので、退席できませんでしたよ」と指摘すると、職安の責任者は言葉に詰まった。


 私は、「全体として、不十分な回答です。事実でないことを前提に、記していますからね・・・」と感想を述べた。事実でないことを前提にして、勝手に述べ始めるのは、組織が言い逃れをするときに使う手法である。

 私は、「『熱心さ』は理由にならない。なぜなら、中年女性が言うように3倍の倍率だとしたら、4人の応募者のうち、3人までは不合格である。不合格者は、職業訓練を受けられないのだから、専門学校には2度と行かず、指導しても仕方がない。専門学校の立場に立つと、合格基準に満たない応募者については、その場で叱りつけずに、黙って落とすのが時間の節約だろう」と指摘したうえ、「そう考えると、中年女性は、なぜ面接で、余計なことを言っているのか、理由が不明である。中年女性が、選考の場を、個人的な"ストレス発散の場"としているか、中年女性が何らかの疾患にかかっているとしか、今のところ思いつかない」などと、感想を述べた。私の「ビョーキじゃないか」という指摘に、職安の責任者はショックを受けたようで、「いや・・・」と応えたが、次の言葉がなかった。

 しかし、職安の責任者が、官僚主義の前で、右往左往して、苦労しているのを目の前にすると、私がこれ以上、追及するのは、バランスを欠いている。そのため、「私は、専門学校に対して、処分までは求めていません。担当部署が、専門学校に対して、現実に改善指導したかどうか、確認して下さい」とだけ尋ねて、その回答をもって、闘いを終えることにした。全体的にみると、十分でない部分もあるとはいえ、職安の責任者は、私の主張に対して、誠意を持って、問題解決しようとしているだろう。それについては、私は感謝したい。

ストレスというものの正体
 
私は、ここでストレスというものを、考えてみたい。もし、私が職業訓練の面接を受け、面罵されて選考も不合格の通知に脅えていたら、「私は、職業訓練を受けられない駄目な人間か」と落ち込んで、ストレスを抱えて、落ち込んでいることだろう。しかし、私は、自分の疑問をきちんと、職安にぶつけて、ある程度の結果を出したので、「私は、職業訓練の選考に不合格かもしれないが、職業訓練を行う専門学校では指導員に問題があり、面接についても職安の要請とは異なる方法を取っている。当然、職業訓練の質に疑念がある」という認識を得た。「不合格の通知」については、怖くなくて、むしろ、「不合格の通知が届けば、別の職業訓練に応募が可能となる。合格通知が届いても、辞退する理由が職安側も認めているので、別の職業訓練に応募できる」と、前向きに明るく思うことができる。よく自分の心の中を考えてみると、ストレスがまったくない。今、ストレスを抱えているのは、改善指導を受けた専門学校のほうなのである。

 ストレスというものは、2人でやるキャッチボールの球のように、「相手が持つか、自分が持つか」である。ストレスというものは、自分のほうに非がある時は、自分が持つべきことがある。しかし、よくよく考えてみると、相手に非があるときは、相手が持つべきこともある。そうしたときは、果敢に行動して、自分を主張すれば、道が開ける。自分が鏡のようになって、相手がストレスをぶつけてきた時、それをそのまま相手に反射させるということも、必要なのである。

 今回、このハラスメントに関して、時間とコストについて、記しておくと次の通りである。
 
  A. ストレスで落ち込む: 時間は、面接直後から2日間、計8時間
   B. 問題解決のため: 時間は、職安との交渉2日で計3時間、電話2回。
                             
費用は交通費1,420+その他240=1,680円
 悩んでいないで、すぐに行動すれば、上のBの部分は不要なのである。「悩むより、電話をかけ、足を動かし、交通費を使え」と、自分に言いたいほどである。


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瀬梨華

 回答文書を掲載するならば、原文のとおりに記載した方がよいのではないかと考える。太字等で強調すると、文面から読み取れる意味が違ってしまうことがあるのではないかと感じる。それにしても回答の文書は、分かりにくいですね。役人言葉というより、何も考えていないからあのような文章になるのでしょう。
 何故の面接なのか。職業訓練のために行う面接であるとは到底思えない内容。やはり職業訓練について何も考えがないから、そのような内容になるのでしょう。委託料と営業用の宣伝のために受注したのでしょうし、また歯駐車側も真に考えた事業でないから、すべてが官民とも金と名目ありきで事が行われている典型例だと思います。
by 瀬梨華 (2010-05-31 01:26) 

メイ

瀬梨華さん、
 編集権は私にありますが、瀬梨華さんの御指摘通りと考え、訂正させていただきました。
 職安による回答文書については、文書としても体をなしておらず、誤字脱字が4か所もありました。雇用・能力開発機構は、仕事に対する真摯さがありません。文書1枚を書けずに「雇用・能力開発」が出来るのでしょうか。
 学校(訓練施設)側からみると職業訓練は、楽に受注出来る公共事業に過ぎません。内容について、点検する方法があるようですが、自主申告のため、効果的ではありません。そのため、国と学校が次第に馴れ合って、受講生や受講希望者のことなどどうでもよくなって、システムが堕落して、ついにはパワハラ面接をしてしまうのでしょう。結果として、税金が無駄遣いされて、求職者/納税者が損をする構図になるのです。私は、市場原理で競争しろなんて言いませんが、安全や人権を損なっていないか、趣旨通りに運営しているかぐらいは、点検して、国民に公開すべきかと思います。
 日本人の中には、日ごろから権利がないがしろにされているせいか、立場が変わると豹変する人たちがいます。消費者になったとたん暴君になる、上司になったとたん独裁者になる、面接官になったとたんパワハラ加害者になる、というのはあちこちで見られます。常に自分より立場の弱い人間に対して、攻撃性が向くのです。こうした異常事態に対しては、毅然として対処するという、対処能力が必要です。
 私は、やろうと思えばもっと追及出来たのですが、担当の職安職員が、「数日前に父が亡くなって有休を取っていた」等と言いました。親族を亡くすというのは精神的負荷が大きく、そのため彼のメンタルヘルスも考えて、「これ以上、お願いすることはなく、今回のことはこれで終了としたい」と宣言して、追及の矛を収めました。闘いというのは、妥協すること、後腐れなくなく終わらせること、そのタイミングというのも重要です。
by メイ (2010-05-31 17:29) 

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