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真善美と引きこもり [仕事を考える]

 優等生の長女が就職して4年目、退職して引きこもりになり10年たつというネット記事があった。私はそれを読んで考え込んでしまった。次女や年下の長男は引きこもりではない。次女は姉がおかしくなることを予想していたという。記事には記されていないものの、恐らく次女というのは優等生ではないのだろう。

 私は真善美と現実の関係を考えてしまう。現実社会に出ると、家庭や学校で是とする真善美は建前にすぎないことがわかり、差別と競争、狡さと悪事が頻出する。ただし公務員や大企業ならそうした悪い環境も最悪とまでは言えないだろう。しかし現代は経済成長しない、超高齢化社会である。既得権を巡って中高年が醜く争う中に、真善美を是とした優等生が放り込まれると、たちまち病んでしまうのかもしれない。もっとも真善美を是とする若者が生き生きと働ける環境が理想である。しかし現実というものが以前より悪化しているのである。

 私は次女が成人になってから現実に適応していることに注目する。次女は自分の欲求や欲望と現実に適当に折り合いをつけて生きてこれたのだろう。まさにいい加減である。両親の経済力を利用して、適当に真面目なふりをして、適当に不真面目に生きてきたのだろう。子どもというのはそれでいいのだろう。長女のほうは本当に真摯に生きてきたのだろう。

 本来なら社会のリーダーシップを取る人物がこうしてつぶされていくのは何ともやるせない。

 個人も組織も国家も、貧すれば鈍するである。拡大するならば、経済成長するならばたくさんの真摯な人物が必要である。しかし縮小するならば、経済が縮小するならば真摯な人物は退場しなければならない。

 リーダーがだんだんと阿呆な人物に入れ替わるというわけである。上り坂に必要な人物と下り坂に必要な人物は正反対である。
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報道と真実 [仕事を考える]

 新聞や月刊誌の仕事をした経験から言えるのは、報道というのは事実を伝える機能もある一方で、事実を覆い隠す機能、プロパガンダ機能があることだ。日本のマスコミは正反対の機能が混然一体となっている。

 全国紙や通信社は内閣官房の意向を強く反映する。自民党の二世議員の元秘書官は「新聞の一面を毎日決めていた」と話していた。新聞社の編集幹部が決めるのではないかと一般には思われているだろう。しかし違うのである。業界誌や業界紙であれば管轄官庁の担当者が、毎回紙面や誌面をチェックして、電話でクレームや感想を入れている。こうしたクレームには逆らえない。

 報道の真の主は内閣や官僚というわけである。恐ろしいのは白を黒とするようなことだ。マスコミが一斉にキャンペーンが始まると、事実でないことを基に世論が喚起される。

 事実を書きたい、社会を変えたいと考えて、若者がマスコミに入るとこうした壁にぶつかってしまう。慧眼の主は下らないと考え、また恐ろしいと考えるだろう。

 マスコミというのは民衆の間から生まれたものではなく、また民主主義の落とし子でもない。もともとは西欧で金融資本家が植民地戦争を伝達することを目的とする事業である。Financial Timesなどを読んでいるとそれがよく分かる。金融資本家の事情で事実が歪められることがある一方、それが極端だと信用もされなくなる。

 本当に事実を伝えるのは小規模の出版であり、また民衆というものは実際、そんなに事実を知りたいとも思わないので、あまり売れないというのも本当のことである。

 こうした残念な事実からスタートすると、事実が見えるのではないだろうか。確かに入ってみないと分からないということがあるので、入ってみるというのも手であろうが、あまりお勧めはできない。
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薬品臭いオージービーフ [日ごろのこと]

 カレーライスを作るため、スーパーで買ったオージービーフをフライパンで焼いた。換気扇を掛けているのに、薬品の臭いがした。たいしたことないだろう、神経質なせいだろうと考えていたら、さらに臭いがきつくなり、顔がピリピリと痛むほどであった。成長ホルモン剤などのせいだろう。

 もちろんカレーだからカレールーで臭いがかき消され、食べられるには食べられるだろう。しかし体調不良などのコストを考えた。そこで食材が無駄になるのを承知で作るのを止めてしまった。

 以前もブタの三枚肉を焼いていると、ブタがエサとして摂取したであろう残飯の臭いがした。それ以来、三枚肉を焼かなくなった。

 食べ物は身体を作る。玄米や野菜など、食物繊維を重視する食生活をすると、感覚が鋭敏になるようである。
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