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財務諸表が読めない取締役たち

 春闘でやり取りしていると、どうやら取締役たちは財務諸表があまり読めないということが明確になった。恥ずかしいことなので、恥を恥と思っているのか、それとも無知の余り、恥とも思わないのか、どちらなのだろうか。憮然としているというのが本当であろう。

 取締役は全員、会計が分からないらしい。彼らは具体的な数値は出さずに売上高は前年比マイナス〇%、経常利益は前年比マイナス〇%という言い方をする。主だった数字は出さない。暦年で比較するならば少なくとも5年分が必要である。経営成績が悪化しているので、社員にはこうした言い方をしておけば、経営責任の追及をされないと勘違いしているのだろう。

 割り算をするなら、売上原価率、販管費率、営業利益率を出す必要があるだろう。しかし彼らは指標として出していない。さらに驚くべきことに運転資本という概念はそもそも聞いたことがないらしい。営業損失を出し始めているので、B/Sが運転資本を下回ることがないように、売上を上昇させるには運転資本も増加すると言われても、まったく理解されない。代表取締役は10年ほど取締役をやっているのだろうが、その間、会計の勉強などしたことがないのだろう。そのぐらい不勉強なものである。

 彼らは財務諸表は公開していないからもったいつける。決算公告義務はあるのだが、これは怠っている。秘密にしておいて、その秘密の中身が分からないのだろう。

 実は私は彼らが読んでいるであろう財務諸表を入手したのだが、売上原価、販管費という勘定科目がないのである。驚くべきものである。取締役ならば現在の財務諸表を理解した上で、税理士や公認会計士と協議して現在の会計原則に合わせたものにするのが仕事であろう。しかし放置した上で、四半期ごとに税務調査を食らっているのである。

 中小企業は公開企業でないので、めちゃめちゃな財務諸表というのを作成していることがあるそうだ。税金逃れや、債務を隠すため、何種類かの財務諸表を作成しているところすらある。

 だから取締役たちは売上原価、販管費などと言われると、きょとんとする。勉強したこともないので、そんな勘定科目が世の中にあるということも知らないのだろう。営業利益は財務諸表にあるので、理解できるのだろう。

 売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益がようやくわかるだけであろう。粗利益、粗利益と言っているが、粗利益を出すには売上原価という概念を知らなければならないが売上原価という概念は理解できないのだろう。

 営業分析はしていない。在庫管理もしていない。営業利益率というのは出していない。ROAという概念は知らないといったところであろう。

 経営が迷走するのは財務分析ができていないことがひとつあるのだろう。
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