SSブログ

真善美と引きこもり [仕事を考える]

 優等生の長女が就職して4年目、退職して引きこもりになり10年たつというネット記事があった。私はそれを読んで考え込んでしまった。次女や年下の長男は引きこもりではない。次女は姉がおかしくなることを予想していたという。記事には記されていないものの、恐らく次女というのは優等生ではないのだろう。

 私は真善美と現実の関係を考えてしまう。現実社会に出ると、家庭や学校で是とする真善美は建前にすぎないことがわかり、差別と競争、狡さと悪事が頻出する。ただし公務員や大企業ならそうした悪い環境も最悪とまでは言えないだろう。しかし現代は経済成長しない、超高齢化社会である。既得権を巡って中高年が醜く争う中に、真善美を是とした優等生が放り込まれると、たちまち病んでしまうのかもしれない。もっとも真善美を是とする若者が生き生きと働ける環境が理想である。しかし現実というものが以前より悪化しているのである。

 私は次女が成人になってから現実に適応していることに注目する。次女は自分の欲求や欲望と現実に適当に折り合いをつけて生きてこれたのだろう。まさにいい加減である。両親の経済力を利用して、適当に真面目なふりをして、適当に不真面目に生きてきたのだろう。子どもというのはそれでいいのだろう。長女のほうは本当に真摯に生きてきたのだろう。

 本来なら社会のリーダーシップを取る人物がこうしてつぶされていくのは何ともやるせない。

 個人も組織も国家も、貧すれば鈍するである。拡大するならば、経済成長するならばたくさんの真摯な人物が必要である。しかし縮小するならば、経済が縮小するならば真摯な人物は退場しなければならない。

 リーダーがだんだんと阿呆な人物に入れ替わるというわけである。上り坂に必要な人物と下り坂に必要な人物は正反対である。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。