整理解雇問題
東京管理職ユニオン書記長の設楽清嗣さんと作家の宮崎学さんの対談集を古本屋で買った。『敗者復活 リストラ社員の大逆襲』(幻冬社刊)である。東京管理職ユニオンは個人が加盟できる労働組合で,リストラ問題などに取り組んでいる。
印象に残った点は次のようなことである。私がポイントだと思ったことである。
○退職願は書かずに,がんばって闘争して整理解雇通知をもらうこと。
○整理解雇通知は具体的に金銭になり,交渉すると年収1-2年分程度の解決金になる。
○整理解雇するような会社に尽くしてきたというのは,基本的には本人が悪い。
○人生にとって整理解雇などは大したことはない。
私自身は整理解雇されたわけではないが,考え方として学ぶべき点が多かった。会社はせっかくタダで整理解雇しようと思っているのに,団体交渉を申し込まれ,ビラを撒くとか地方労働委員会に申し立てるとか,訴えるとか言われて,年収1-2年分を取られるのは大損害であろう。解雇された側としては,それ以上,会社を恨んでもしょうがない。整理解雇を撤回させても元の職場に復帰できる望みも薄い。
労働弁護士なども依頼者に「お金で我慢しなさい」と説得することが多いようだ。仕事というのは人格と密接なものであるので,金銭に引き換えられてもしょうがないと思うことがあるが,何というかそれが相場であれば納得するしかないだろう。日本という人権が尊重されない国の中の,オトナの知恵のようなものである。
サラリーマンというのは,すっかりひ弱で依存的になるらしく,考え方の切り替えが難しいらしい。私自身も会社というものが体に染み込んでしまって,ずいぶん苦しんだものだ。
設楽さん自身は年収600万円を超えたことがないらしい。リストラされて相談に来たサラリーマンの年収は1000-1500万円だったりする。設楽さんは相談に来たリストラさられたサラリーマンに対して「ざまーみろ」と思うらしい。敗者復活には慰めてくれる人よりもぶん殴って鍛えてくれる人が必要らしい。野蛮であるが,人生は野蛮な方が勝ちである。
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