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マインドコントロールと基本的人権 [仕事を考える]

自己啓発セミナーによるマインドコントロール
 
外資系勤務のOさんは、次のような体験をしたという。社員教育の一環として、Oさんは同僚と共に、1泊2日の自己啓発セミナーに参加させられた。Oさんは、疑いを持って参加したが、同僚女性は真剣に受けたため、告白コーナーで自ら離婚体験を、大勢の参加者の前で告白したという。その後、同僚社員は精神に異常を来した。同僚の両親がこの被害に怒り、会社に対して、強く抗議したという。Oさんには、自己啓発セミナーによる精神的被害はなかったが、嫌な思い出として、心に残っている。
 
 企業には、労働者に対する指導・教育権が認められている。そのため、企業が命じれば労働者は、怪しげな自己啓発セミナーに
参加せざるを得ない。企業向けの自己啓発セミナーは、アメリカ由来だそうだ。そこでは、作業をさせたり、反省文を書かせたり、私生活上の秘密を告白させたりすることによって、マインドコントロールしているようだ。

 マインドコントロールの目的は、購買行動(モノ/サービスを買わせる)、金銭的搾取、労働力搾取、性的搾取などで、マインドコントロールされた人間が、損害を被ることになる。企業、とりわけ大企業では、労働者の労働力を搾取しているので、マインドコントロールの方法を取るようだ。国内銀行では、労働者に対するマインドコントロールを、内面指導と呼ぶらしい。内面指導というのは、思想・政治統制であり、心の中まで管理されるなど、私などは本当に嫌である。

 仕事との向き合い方にもよるのだろうが、大企業の営業職や管理職は、会社外の人間関係でも、無意識に相手をマインドコントロールしようとすることがある。私は、彼らと事実についてディスカッションしようとして、話が通じなくなった経験がある。
私は、マインドコントロールを受ける必要がないので、それを拒否して、何度も「事実を話し合おう」としたところ、相手は「私のマインドコントロールが効かない」と判断したようで、不機嫌になった。大企業出身だが、転職した同僚が、以前の大企業の看板を、何回も何回も口にして、私を説得しようとした。私は、彼らは事実を話し合うことを狙って集まったのに、ディスカッションする態度でないと、判断したものである。
よく観察してみると、彼らは、社員や顧客をマインドコントロールしているばかりではなく、自分も会社にマインドコントロールされている。そのため、会社外のマインドコントロールに対して、簡単に引っかってしまう。

 ブランドなどと聞くと私はマインドコントロールに結び付けて考える。大企業では、労働者には指導教育などで、外部にはCMなど広報によって、社名やイメージを伝えている。これは効率よく、労働者をマインドコントロールすると同時に、顧客に購買行動を取らせるためである。マインドコントロールの結果として、日本的なブランドというものが、確立するのである。大企業は、整理解雇を強行しても、宣伝広報費を余り減らさないのは、ブランド確立のためなのである。

 ブランド志向の人間は、なぜかブランド志向で引っかけようとする人間が、寄ってくるようだ。

マインドコントロールから身を守る
 
私は、任意団体のメンバーだが、こうした団体では無償ボランティア、通信/交通費負担、飲食/物品の無償提供を、求められる。少数ではあるが、有給者がいるので、こうした活動は有給者がその給与に応じて、果たすべきである。しかし、有給者が怠けているのに、メンバーが一方的に、提供を求められることがある。

 私は、メンバーとして、月5,000円の会費を支払っている。メンバーは、最低月1回、6,7時間程度、無償ボランティアを求められている。任意団体は、1回当たり、1,000円の交通費と昼食代を支払うが、とうてい不足する。私が、無償ボランティアに加わると、交通費2,350円、日当は最低でも1万円であろう。だから、月5,000円の会費のほかに、3倍程度の無償提供をしている。会費+無償提供の合計は、月2万ということになる。任意団体が、私の代わりにアルバイトの労働者を雇おうとすれば、少なくとも2万かかるということだ。

 有給者の1人は、メンバーに対して、ある意味、マインドコントロールしているようだが、私は、参加する意思がない時、必ずカネの話を持ち出す。私は、「使命感がない」「ケチ」「狭量だ」等と非難されたこともあるが、有給者は要するに「あなたの労働力などを無償提供をしてくれ」と依頼しているのだから、私のほうは依頼を拒否したり、「有償なら提供する」「無償とするが通費は負担してくれ」等と主張すると、諦めたり交通費を出したりする。つまり、ビジネス交渉をしているのだから、かえって話が通じやすい。
 
 私は、マインドコントロールが嫌いで、人間というのは考えを自立させて、個々に判断すべきものという、個人主義の考えを持っている。私は、相手に対して、メリットもデメリットもよく説明するほうだ。しかし、世の中には、マインドコントロールされやすい人たちが大勢いるというのは、確かである。

マインドコントロールの正体
 マインドコントロールの天敵は、自分で批判的に考えること、記録計算、医療、発表すること、内部告発すること、労働組合、運動団体などである。例えば、企業にマインドコントロールされて超長時間労働になっていれば、①36協定が結ばれているか点検する(法律、労働組合)、②適法の範囲内で働くようにして、それが難しければ所定外労働時間の割増賃金を算出する(記録、計算)、③転職時に割増賃金を商事法定利率6%と共に請求する(法律)などの行動を取れば、毎日毎日、経済的に損害を被っていることが自覚出来て、マインドコントロールにかからないだろう。マインドコントロールにかからないことが、過労死を防ぐのである。

 逆に言うと、マインドコントロールする側は、マインドコントロールのために、次のようなことをするのだ。

-自分で考えさせない(内面指導、研修)
-記録計算を残さない、記録計算をさせない
-医師に通院/入院させない、診断を無視して休ませない、心身の健康を損なわせる(休ませない)
-秘密を守らせる(内面指導、研修)
-公的機関や外部の家族や友人知人と連絡させない(超長時間労働)
-労働組合を作らせない、労働組合を骨抜きにする(労働組合への介入、不当労働行為)
-運動団体への参加を禁じる、運動団体を攻撃する(結社の自由を制限)

 マインドコントロールをする側にとって、いちばん制限しずらいのは、記録を取らさせないということである。超長時間労働をさせる企業は、労働時間管理義務が法的に定められているのに、タイムカードをあえて、置かない。しかし、判例によると、システム手帳などへの記録を、労働者自身がやれば使用者側に記録が存在しないので、労働者の記録が、真実の労働時間記録となる。そのため、労働者が、システム手帳を携行して、いつも書き込んでいれば、マインドコントロールを突破するかぎになる。

 私は、パワハラを受けていた時、A4判のノートとボールペンで、記録をスタートさせた。パワハラ主は、「許可を得ずにメモを取るのは失礼ではないか!」「これがお客さんだったらどう思うか?」等と、私を怒鳴り付けた。私は「自分の持ち物をどう使おうと自由だから、許可は必要ないし別に失礼だとは思わない」「あなたは社員だから“お客さん”という立場でない」「怒鳴るのは、今後は止めてくれ」と答えたら、それ以上追及されなかった。私は、記録を進めたところ、パワハラ主はパワハラでないことも述べ出した。そこで、私は記録をストップした。するとパワハラ主は、「今言ったことも書いてもらわないと不公平ではないか?」と怒鳴り出した。私は「自分の持ち物をどう使おうと自由ではないか」「怒鳴るのは今後止めてくれ」と繰り返して答えたものである。私は、お猿さんを相手にしているような、気分になった。

 マインドコントロールする側は、相手より自分が賢いと思っていることがあるが、冷静に記録で対処するとそうでないばかりか、逆のことも明らかになるという例といえよう。


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