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有力者になびく人々 [仕事を考える]

 日本社会はタテ型社会と言われ、事業主と労働者、上司と部下といった関係だけでなく、たった1年違いの先輩や後輩など、欧米ではどうでもいいと思われる関係、むしろ逆転してもいいような関係でも細かく上下になっている。そしてだめな組織や集団ほど、こうした上下関係が厳しく、目上が小者や悪者、曲者で固定化されていることも少なくない。

 タテ型社会における失敗例のケーススタディーを探してみると、1950年代の静岡県上野村村八分事件が興味深い。戦時中から続く隣組が村民から国政選挙の入場券を回収して、大規模な替玉投票を行っていた。長年、繰り返し行われていた上、あからさまであった、ある高校生がおかしいと思う一方、役所も選管も警察も頼りにならないので、朝日新聞に内部告発した。公選法違反で大勢が逮捕された。一方、高校生の家族は報復として村八分にされたという。

 タテ社会だから有力者が替玉投票をやらせようとしたら、村民は善悪に関係なくやってしまうだけでなく、不正の実行を正義とまで勘違いしてしまう。あべこべ社会の出来上がりである。

 村民個々人によって善悪の判断の程度、立場の違い、教養の程度などが大きく異なるだろうと思うのだが、全員がやってしまう。中には役人、地方政治家、教員、警官などがいるだろうに、法律や行政などのシステムは機能していない。むしろ有力者はこうしたシステムを活用して、替玉投票をやらせているから、彼らは最右翼にいるのである。

 これは付和雷同ではなく、権力を活用したファシズムである。日本は実はファシズムが生じやすい。タテ型社会の大きな欠陥であると言えよう。

 現在でもファシズムが閉鎖社会におけるいじめ、パワハラ、虐待などの原因になっている。調べてみると、指導したり取調べたり点検したりすべき人たちが長年、組織的に主導していたということが分かるのである。

 暗黒組織、暗黒社会とでも言うべきで、1950年代も現在もあまり変わらない。官庁に内部告発すると、行政指導で内部告発者名を漏らすという事件も続いたが、ファシズムだと思えば奇妙なことでもない。ひょっとしたら官庁が主導して不正をやらせていたかもしれないのである。行政指導が機能しないどころか、みんなグルであったのだ。弁護士に金銭を払って、弁護士を矢面に立たせて匿名で通報したり内部告発したりすべきであろう。
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