SSブログ

愚か者たちとの対話 [仕事を考える]

 会社は地方の中小企業だけあって、愚か者が占める人数の割合が大きい。

 総務部の中高年女たちが、ドアの留め金を出してドアを使う。来客があれば内線を受け、総務部員が玄関まで下りていき迎えに行く必要がある。しかし楽をしたいらしく来客のほうに階段を上がらせる。来客は電子錠を開けられないので、総務部員が内側から開け、その際、留め金を出すのである。毎日、重さのあるドアの留め金をガンガンと側面から打ち付ける。

 そこで私は総務部の責任者の男に音がうるさいし、正しい使い方でないから故障するだろうし、非常口なので故障して万一のときドアが開かないと大変だと言った。ドアにはもう傷が’ついていると指摘し、ドアを開けておきたいならストッパーを使えばいいと提案もした。話し合うと、男は防犯上、開けっ放しにはできないからこれからは正しく使うという。

 たいがい総務部だから正しい使い方を社員に指導する立場にある。しかしかえって社員に注意を受けるのである。愚かさと、地方ならではの田舎っぽいがさつさが同居する。

 私がこのタイミングで指摘したのは総務部に配属された転職者がたった2週間で辞めたからである。総務部の人員はこれまで2人程度だったが増員され男女4人となった。四半期ごとに税務調査が入るので強化しようとしたのだろう。馬鹿ばっかりなので私語爆笑が酷かった。茶の間のようである。そして税務調査も年4回入るのは変わらない。

 ところが1人退職するので、あらかじめ1人採用することになった。

 中途入社の転職者が決まると、席替えがあった。島型配置の席で、男女が互い違いになるようにした。私語爆笑を抑制しようとしたのだろう。

 転職者はやせ型の背が高く、若く、きわめて真面目そうな男であった。転職者が配置されると、既存の太った男女4人はやせて見えるからという理由で、上から下までそろって黒ずくめの服装で出勤してきた。幼稚な反応で、異様である。

 黒づくめの服装にすると、痩せて見えるというのはこの肥満者たちの間だけの話である。現実にはそうではない。肥満の程度が大きいので、相変わらず太って、さらには老けて見える。

 そして相変わらず私語爆笑をやる。指導役の肥満の中高年女は転職者に対して黒づくめでギャーハッハッハッ! ギャーハッハッハッ! ギャーハッハッハッ!と大爆笑しながら仕事を教え、周りはまた黒づくめでドッヒャッヒャヒャッ! ドッヒャッヒャヒャッ! ドッヒャッヒャヒャッ!と合いの手を入れている。

 もっともこの転職者の男も大爆笑しだせば環境になじんだということだろう。しかしそこまで愚かなら採用されないだろう。愚かでないから採用されたのに、既存の男女は愚かさを伝染させようとしていたのである。馬鹿の中に馬鹿でないのがいると落ち着かないのだろう。しかし一般的には人間というのはそうそう、馬鹿になれるものではない。

 見苦しい上、やかましく、ブラックユーモアのようである。傍目にも転職者には環境が悪過ぎるだろうとみていたら、給与ももらわず、電話で断って辞めた。

 なおこの黒ずくめの肥満の女は取締役に「融通が効かない」と言いつけていた。ホラーである。このように悪い環境にいると、良いことが悪いことになり、悪いことが良いことになってしまう。

 求人費として100万円ぐらい無駄にしたのではないかと思われる。愚か者たちに対しては言動を予測することが重要である。動物がどう行動するのかと考えるのと同じである。

 恐らくこれとほとんど同じことを懲りずにもう1、2回するだろう。さらに100~200万円を無駄にして、結局自分たちは求人できないことが分かるということになり、そこで始めて求人を中止するだろう。数カ月は続くのではないか。

 愚か者というのは自分がよく見えない。行き当たりばったりである。行きつく所まで行かないと分からない。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。