SSブログ

不合理な戦略 [社会を考える]

 組織でも集団でもどうしてこんなに不合理な方針を取るのだろうと、奇妙に思うことがある。自分自身がそうした組織や集団に属していれば、愚かな方針の被害を受けるのでなおさらである。後から振り返って見て、そうした組織や集団がさらに発展したという試はない。衰弱の兆候として、不合理な方針が現れているのである。

 事業ライフサイクル理論によると、事業は導入・成長・成熟・衰退期の4段階があるという。衰退期にあるのならば投げ売りしてキャッシュフローの低下を緩めたり、事業から漸次撤退したり、事業資産そのものを売却したりすることを真剣に考えなければならない。今後事業が滅失することを前提に後始末をしなければならないのである。

 衰退期の事業ではまず指導者を観察してみよう。指導者には戦略がなく、愚かで、不健康である。会計やコンプライアンスに関するリテラシーは乏しい。外部環境に適応していない。営業すると、むしろ顧客を失ったりする。ただし組織内の権謀術数には優れているかもしれない。駄目だなと思うのだが、考えてみると衰退期の事業にまさにふさわしいのである。駄目な事業にして駄目な指導者ありである。天の配剤と言うべきである。

 こうした衰退期の事業で、会計やコンプライアンスを糺していくのは的を得たことなのだろうか。滅びゆく事業、滅びゆく者は改革に激しく抵抗する。また改革したところで、滅ぶのが先延ばしになるだけである。距離を置く、滅びゆくのは放っておくのが正しいことなのではないだろうか。

 フィルムカメラを復興して、デジカメやスマホに奪われた市場を奪還することができるだろうか。ラジオを復興して、テレビやYOU TUBEに奪われた市場を奪還することはできるだろうか。そんなことは夢にも思わないだろう。

 キャッシュや人間は新しい事業に移すことができる。移すことができるなら移すべきである。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。