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「みんなで決めた」 [仕事を考える]

 株式会社は取締役会または代表取締役に経営権があり、いわば独裁ができ、一方でコンプライアンスも守らなければならない。

 勤務する会社で奇妙なのは「みんなで決める」という企業文化である。これは創業者(故人)から経営権・株式を譲り受けた経営者(故人)がいわば独裁者だったからという反発の裏返しらしい。また労組出身者が代表取締役となってきたという経緯もあるのかもしれない。

 会社の盛衰を見ると、営業して努力して売上を大きくしてきたのでなく、業界から小さい利権を渡されてそれを守ってきたようである。だから会社に本格的な営業組織がない。まるで売ろうとしない、顧客への粗略さがあるのだろう。あまり価値が高くないのではないかというような図書を長年在庫にして売り惜しみ、ついには処分するということを繰り返すのもそうしたことが関係している。

 出版新聞不況の中、生き残ってきたのは利権があるためであり、また大きく成長してこなかったのもこうした利権の限界のためであろう。

 代表取締役が1人で決めるのは良くないことで、みんなで決めるのがよく、異論があったとしてもみんなで決めたとして意見を押しつぶしていく。いわば偽装されたみんなの意見というのを形成する。地方の中小企業なのに政治的な色合いが強い。こうした「みんなの意見」のうちの1人のはずなのに突然、退職者が出てその数も多い。ファシズムの犠牲であろう。

 「社員みんなで決めたんだ」と取引先に申し入れても解約されたり、「社員みんなが知らないと言っている」と行政に言っても指導が入ったりということになる。幼稚なことを言っている、経営者不在なんじゃないかと評価されるだけで、無視されるのである。

 どちらかというとあまり能力が高い者がいないのに、かつてブランドであった時期があるらしく、企業規模に比べて傲慢な言動が目立つ。傲慢だから相手にされず、やはり無視される。

 顧客から「もう止めたと思っていた」「まだやっているの」と言われ、怒っているのを見ると、客観的な評価と組織の自己評価の乖離が大きいのである。
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