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小児病的男性主義 [日ごろのこと]

 Xという企業があり、創業者が賢くて成長著しく、優良経営なのでMBAのケースとしても学んだ。創業者はよく日経系のメディアにも出演している。

 定期的な運動の指導者Pの長男Qが大卒後、X社に入社した。入社時の代表取締役は創業者ではなく、親族でない右腕であった。PはQに「本人に言うなよ」と言いつつ、代表取締役と同級生であったこと、よくいじめていたことなどを話したという。Qは父親たるPの戒めを破って、何かの機会で代表取締役に言ったという。するとQは遠隔に配転された。配転されて孤独に耐えられなくて退職したという。代表取締役は後に「期待してしまった」という話だったという。新卒時の会社を早期に退職したので、その後、Qはその後長期に経済的に不安定だったようである。

 私はPから聞き出したわけではない。繰り返ししゃべるので憶えてしまった。人様の家庭の話だから口を指しをはさまなかった。

 話を全体として見ると、Pはただ黙ってりゃよかったのに、愚かしいというだけである。しかし少し考えてみよう。Pは実質的にどうしてQの立場が不安定になるように仕向けたのだろうか。悪意は絶対勝つという。悪意が生じたのはどうしてなのだろうか。

 Pは“お前に給与と将来性を与えている大企業の代表取締役をお父さんはいじめてたことがあるんだぞ、下っ端だったんだぞ”ということをどうしても長男に言いたかったのではないだろうか。言えたことにこそ極めて高い価値があり、Qが不利になっても構わないというわけである。自分勝手ここに極まれり。テステステロンのなせる業、小児病的男性主義というものであろう。動物的動機だから自制が効かないのである。

 愚かしい者は耳を傾けていると、“自分はいかに愚かしいか”というエピソードを聞かれもしないのにぺらぺらしゃべっている。“こんな俺でも今後も一緒にやるんかい?”と暗に尋ねているのである。なるべく早めに不同意したほうがよい。犠牲にならないように注意したい。
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