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日銀の植田総裁頑張れ [社会を考える]

 日本のマネタリーベースは従来、100兆円ほどであった。黒田バズーカで600兆円にした。日銀が銀行に国債を寄越せと奪い、代わりに現金を振り込んだのである。銀行は預金準備高が余るので、企業や家計にどんどん貸す。押し貸し気味であった。このようにして、ケインズ経済学の乗数効果を生み出したのである。不良債権になるかどうかなど、細かいことは抜きである。マクロ経済なのだから。

 マネタリーベースを増加させるとインフレ率が高まる。インフレ率が高まると、失業率が下がる。失業率が自然失業率の2.5%まで下がるまで、インフレ率を高める。それがインフレ目標の2%なのである。インフレ率はGDPデフレーターで計測するので、エネルギーや食品の物価は抜きである。目先のことで右往左往してはいけない。

 失われた30年というのは人災で、責任は日銀にある。失業率が高いと、自殺者が多く、社会が不安定になる。三重野、松下、速水、福井、白方の歴代総裁はいわば戦犯である。仕事に対する真摯さが欠けるのである。そして経済成長を失わせたのである。それ以上に国民のマインドを後ろ向きにさせ、若者を絶望させた罪は重い。

 黒田はできることは何でもやるという姿勢だったという。ケインズもその場その場で、不景気を克服するために試行錯誤を繰り返した。実務家である。仕事には熱意を持ってことに当たることが重要である。解決したいと情熱を持つことで、工夫と知恵が集まるのだ。

 黒田を引き継いだ植田総裁はまるでゼミナールで学生に諭すように黒田を見本として高く評価している。植田総裁の大人の姿勢にエールを贈りたい。
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